年月を経て良くなっていくのは、
庭もやきものも一緒かもしれません。
この「黄瀬戸」の湯のみ茶碗は
自分が修業時代に親方から頂いたものです。
独立した現在でも、自分の日常の一部として
大切に使っています。
少し前になるのですが・・・
そんな「黄瀬戸」のふるさとである岐阜県に出かけてきました。
土岐市でやきものを見てから、夢窓国師の永保寺などを見てまわり
前々から楽しみにしていたのがここ
「坂折棚田」です。
恵那という石の名産地だからこそ、生まれた
この石積みの棚田。
乱れ積みから、横積み、谷積みと場所によって変わるその様子で
石工の技術の発展に歴史を感じるのです。
行った時期が田植えの直前で、ここに水が張られるとまた
見え方が変わるかと思うと、四季という素晴らしさを
改めて実感せざるを得ないのです。
そして、この景色をモチーフに現代の庭を考えたときに重要なことは
石の積み方とかではなく
この全体の質感を生むラインを
いかに柔らかく庭に取り込んでいくのか
ということを考えさせられるのです。
ただし!石工の職人へのリスペクトは
絶対に忘れてはなりませんね。