青梅の雑木のお庭

北中植物商店で手掛けさせて頂いた青梅のお庭のご紹介です。

先月の紅葉の時期に手入れなどの作業を行なってきました。

奥多摩へと続く山々に囲まれた自然豊かな最高の環境です。

自然に囲まれた土地であるがゆえ、この地域のまわりのお庭を見てみると

作り込まれたお庭が多いのが印象的でした。分かりやすくいうと石組みと

刈り込みを主体とした京都にあるようなお庭です。

山に囲まれた場所であるが故の作庭の流れとでも言いましょうか。

こちらのお宅のお庭もまた、最初はそのような造りでした。

それを「雑木林の世界」へと造り替えることが、オーナー様のご意向でした。

つまりは、周りの景色を取り込んだ「雑木のお庭」ということです。

元々のお庭には、1〜2トンクラスの石も含めて沢山の石が据えられていたので

それを自然の景色に倣って組み直す所からはじまり、周りの山々にに負けないスケール

の雑木類を植栽していくというものです。

植栽に関しては、(どこのお庭にも言えることかもしれませんが)特にこちらの

お宅では敷地が広いこともあり、植えて3年後くらいからの樹木の成長を待つこと

での完成を目指します。

植栽完成後

自然に倣った石組みはやはり奥が深いものがあります。

今回は、景石として使うもの(山に転がってるような石を想像してみてください)

と、玄関へと続くアプローチを階段状に、ここは歩きやすさを少し重視しながら

据え直していきました。

玄関へと続くアプローチ

そしてもうひとつは、登山道にあるような歩きにくい道です。

普段使いをするには、少ししんどいかもしれませんが、自然に倣った歩きにくい道は

本来理想とする造り方のひとつです。

庭をゆっくりと歩くー。

ふと立ち止まって雑木の幹や下草を眺める贅沢な瞬間です。

少し歩きにくいことを意識した石の道

オーナー様の庭に対する、引いては自然というものに対しては圧倒される

ような熱意を頂いていますので、このお庭のこれからが、本当に楽しみでありません。

この記事を書いた人

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北中 祐介

1978年生まれ。三重県伊賀市出身。
フロッグステラ(横浜市青葉区)に勤務後、石正園(西東京市)にて6年間の修行を経て、2012年4月独立。以後、北中植物商店(旧モリノナカ)を立ち上げ、東京都内を中心に住宅庭園設計・施工・管理を行う。